薬剤師ができる副業5選|徹底比較して分かった本当に稼げる仕事

「もう少し年収を上げたいけど、副業は何をしたらいいのかわからない」
副業に興味をもっても、具体的に何をすればいいのかわからないという方は多いのではないでしょうか?
この記事では薬剤師ができる副業を洗い出し、どの副業が効率的に収入を得られるのかを調べました。これから副業を始めようという方はぜひ最後までお読みください。
この記事に書いてあること
1. 薬剤師って副業してもいいの?
どの副業を始めるか考える前に一つ確認しておくべきことがあります。それは「一部の薬剤師は副業が禁止されている」ということ。どんな薬剤師が副業を禁止されているのか詳しく見てみましょう。
管理薬剤師と公務員薬剤師は副業が禁止されている
管理薬剤師と公務員薬剤師は副業が禁止されています。しかも法律によって副業が禁止されているため、副業に手をつければ立派な法律違反となってしまうので注意が必要です。
管理薬剤師の副業については「医薬品医療機器等法(薬局の管理)第7条‐3」に副業の禁止について書かれています。
薬局の管理者(第1項の規定により薬局を実地に管理する薬局開設者を含む。次条第1項において同じ。)は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であつてはならない。ただし、その薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。
薬局の管理者は勤めている薬局以外の場所では勤務してはならないとの記載がありますね。また、公務員薬剤師については「国家公務員法第103条」で副業について書かれているので、こちらも見てみましょう。
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
公務員は利益を得ることを目的として他の場所で働いてはいけないと記載されています。医薬品医療機器等法や国家公務員法で定められているように、管理薬剤師や公務員薬剤師は副業できない決まりになっていることがおわかりいただけたでしょう。
就業規則で副業が禁止されている場合がある
法律によってではなく、就業規則によって副業が禁止されていることもあります。
海外の場合は、副業をしてもすべて自己責任ということで特に副業が禁止されていない場合もあります。しかし、日本では業務に支障をきたさない、企業機密を漏洩させないという理由で副業が禁止されているケースが多いです。
就業規則は法律ではないため、就業規則に法的な拘束力はありません。つまり就業規則で副業禁止と決められている職場で副業をしたとしても、法律上で何かおとがめを受けることは決してないのです。
とはいえ、会社で決められているルールを破ることにはリスクもありますので、副業を始める前に副業に関する就業規則を確認しておくことが大切となります。
副業が禁止されている企業で副業を始めたらバレる?
副業に興味があっても「会社にバレたらどうしよう」と悩んで、なかなか副業に踏み切れない方も多いですよね。実際のところ、会社に内緒で副業をしてしまうとばれてしまうのでしょうか?
副業をしたからといって本業の職場へ副業に関する通知や連絡がいくことはまずありません。また万が一見つかったとしても、就業規則で禁止されている場合も処分を受ける可能性は低いのが現状です。
ただし物事に絶対はありません。ひやひやしながら働くとストレスにもつながるため、やめておいた方が得策といえるでしょう。
薬剤師の副業を解禁する流れがある?
一般の企業はもちろん、管理薬剤師や公務員薬剤師であっても副業OKにしようという流れが近頃は出てきています。
働き方改革の一環で、副業に関するガイドラインが厚生労働省から発表されたことが話題となりました。国として副業の緩和基準を明確にしはじめ、副業ができる人を増やそうという試みがなされています。
そういった副業促進の流れが日本全体でできつつあることに加え、薬剤師の人手不足を改善するために副業を認めるような動向があります。
これからどんどん副業が解禁される流れが広まっていくことが予想されますので、今はまだ副業禁止という方もぜひ今後の動向は確認しておくといいでしょう。
2.【短時間で収入を得る働き方!】薬剤師が収入を得られる副業!
ここまで薬剤師を取り巻く副業をやるうえでの条件をお伝えしてきました。
ここからは、短時間で収入を得たい人に向けて副業のおすすめ度を選定し、それぞれのポイントと注意点について解説していきます。
【おすすめ順!】薬剤師ができる副業一覧
副業 | おすすめ度 |
---|---|
派遣薬剤師の掛け持ち (単発派遣薬剤師含む) |
★★★★★ |
パート薬剤師の掛け持ち | ★★★★☆ |
Webライター | ★★★☆☆ |
アンケートモニター | ★☆☆☆☆ |
ここからは各副業の詳細について説明していきます。
【短時間で収入を得たい人向け】派遣の掛け持ち
魅力ポイント
- 平均時給が2,200∼3,300円で働くことが可能
- 週1・数時間からの短時間勤務も可能
注意点
- 即戦力としての働きが求められる
- 毎週固定で働く必要がある
派遣薬剤師は平均時給が2,200∼3,300円(都市部)で働くことが可能です。また週1・数時間~の短時間勤務もできるので、そこまで時間がとれないという方でも一定以上の収入を得ることができます。
派遣は即戦力としての働きが求められるため、調剤未経験の方にはあまりおすすめできませんが、調剤経験があるなら派遣のダブルワークは一つの働き方です。
派遣の掛け持ちを始める際のポイント
週1で働ける派遣求人は非常に少ないため、派遣会社を選ぶ際はできるだけ求人数が多い派遣会社を選ぶ必要があります。
【一目でわかる】おすすめ派遣会社
おすすめの派遣会社 | 派遣求人数 | 高時給求人数 | スピード |
---|---|---|---|
ファルマスタッフ![]() |
1,197件 | 1,185件 | ○ |
|
|||
ファル・メイト![]() |
4,314件 | -件 | ○ |
|
|||
薬キャリ![]() |
565件 | -件 | ◎ |
|
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【条件さえ合えば高収入の可能性もある】単発派遣薬剤師
魅力ポイント
- 最短で1日から働ける
- 平均時給が2,800~3,000円で働くことが可能
注意点
- 働ける人に条件がある
単発派遣は通常の派遣よりもさらに短期間で働くことができ、最短1日からの求人もあります。「来週は余裕があるから1日だけ働こうかな」なんて働き方ができるのです。
また、単発派遣薬剤師の時給は募集側が緊急で薬剤師を確保したいため、通常の派遣やパートよりも時給が高いことが多いです。なので、収入としても文句なしです。
しかし、デメリットを挙げるとすれば、日雇いやスポット派遣といわれる単発派遣は法律上で働ける人が制限されていることです。1. 学生、2. 60歳以上、3. 本業収入が500万円以上、4. 主たる生計者ではなく、世帯収入500万以上。以上の4つの条件のうちどれか一つに当てはまらないと単発派遣で仕事はできません。
単発派遣求人は希少で、取り扱っている派遣会社自体が限られます。もし単発を始めたい場合は以下の派遣会社がおすすめです。
【一目でわかる】単発におすすめの派遣会社
おすすめの派遣会社 | 単発派遣求人数 | 求人紹介スピード | 高時給 |
---|---|---|---|
薬キャリ![]() |
3件 | ◎ | ◎ |
|
|||
アプロドットコム![]() |
15件 | ◎ | ○ |
|
|||
ファル・メイト![]() |
-件 | △ | ◎ |
|
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【好きな時間に働きたい人向け】パートの掛け持ち
魅力ポイント
- 勤務時間に融通が利き、急な休みに対応してもらえる
- 深夜営業しているところもあるので働ける時間の幅は大きい
注意点
- 平均時給が1,500~2,200円と派遣薬剤師に比べると安い
パートも派遣同様、短時間で収入を得ることが可能な副業です。平均時給は1,500円~2,200円なので、派遣薬剤師と比べると収入は少なくなりますが、固定勤務ではなくシフト制のため、派遣よりもさらに柔軟に働くことができます。
「病院の当直がいつ入るかわからない」「自分の好きなときに働きたい」という方にはぴったりの働き方といえます。
パートの掛け持ちを始める際のポイント
掛け持ちでパートをやろうと思った場合、「週1勤務」「土日だけ」と条件が限定的になってしまいがちです。そのため、条件に合う求人はなかなか見つかりにくいでしょう。パートの求人数が多い転職エージェントに登録すればコンサルタントが条件に合った求人を見つけてきてくれます。なので、スピーディーに求人が見つかりおすすめです。
【一目でわかる】パートにおすすめの転職サイト
おすすめの転職サイト | パート求人数 | 高時給求人数 |
---|---|---|
マイナビ薬剤師![]() |
20,352件 | -件 |
|
||
ファルマスタッフ![]() |
14,267件 | 3,957件 |
|
||
薬キャリ![]() |
8,131件 | -件 |
|
※2022年8月時点ココファーマ調べ
【在宅で副業をしたい人向け】Webライター
魅力ポイント
- 薬剤師の知識を活かした記事が書ける
- 専門性の高い記事は単価が上がる
注意点
- 収入は成果報酬型で1文字0.5~2円 / 4000文字程度
- 業務量と報酬が釣り合わないこともある
- 納期があるので時間に追われる可能性がある
薬剤師の知識を活かしWebライターとして活躍する方法もあります。ネットで探せばオンライン上で完結する仕事依頼サイトがあるので、そこで仕事を探して記事を執筆します。パソコンやスマホがあれば場所を問わずでき、専門性の高い記事であれば単価も高くなるのが特徴です。
しかしWebライターの仕事は納品期限が設けられているため、時間に追われることが多くあります。副業でWebライターをする場合はなおさら本業との兼ね合いもあるため、執筆を進めるのが大変です。
依頼内容によっては執筆前に本を読んで下調べをしたり、論文を読んで情報の裏取りをしたりする必要もあるためかなりの時間がかかってしまいます。下調べの時間も含めると業務量と報酬が釣り合わないことも少なくありません。
もし時間に追われたくない、自分のメディアを持ちたいということでしたら自身でメディアを立ち上げるのも選択肢の1つでしょう。
実際に薬剤師が運営するメディア「ちゃそぶろ」
「私の勉強、誰かの学びに」をコンセプトに発信しているブログです。著者が学んだことや勉強になったことを中心に、誰かのお役にも立ちたいという想いで記事制作を行っています。
【空いた時間に副業したい人向け】アンケートモニター
魅力ポイント
- 気軽に副業を行うことが可能
- バレることがない
注意点
- 収入が成果報酬型で1件:2~100円
- 高収入を得ることができない
アンケートモニターはとてもお手軽な副業ですね。薬剤師に限らず主婦や学生など幅広い方たちがやっています。アンケートサイトに登録して、送られてきたアンケートに答えるだけという気軽さが人気です。
アンケートに答えるだけなのでパソコンがなくてもスマホで回答できて、しかも好きな時間にできるのが人気の秘密。
しかしアンケートモニターのデメリットは高収入を得るのは正直難しいということ。アンケート1件あたり2~3円のものばかりで、高単価のアンケートはあまりありません。まれに高単価のアンケートも募集がありますが、やはり単価が高いだけあって人気が集中し、アンケートの存在に気がついた頃には募集が終わっていることもしばしば。
しかも高単価のアンケートといっても時給に換算すれば200~400円ほどです。最低賃金を下回る労働効率の悪い仕事なので、高収入を得たい人にはあまりおすすめできません。
3. 薬剤師が副業を始める際のポイント
ここまで薬剤師の方の副業の選択肢を紹介してきました。
以下に、副業を選んで実際に始めるときのポイントをまとめました。
本業と近い業務の仕事を選ぶ
資格が必要な専門性のある仕事、できる人の少ない希少性のある仕事はより高い報酬を得られる傾向にあります。
薬剤師の仕事はまさに専門性も希少性もある仕事です。免許がなければ薬剤師として働けないですし、資格が必要なことから誰でもできる仕事ではありません。
そのため、薬剤師が副業をするなら薬剤師の資格を活かせる仕事をするのがポイントです。資格を活かせる仕事であるため副業であっても高い報酬が期待できます。
副業を始めようと考えている方の中には「何か新しいことをしてみよう」と考える方もいます。しかし、新しいことを始めるよりも、本業と同じように薬剤師の資格や経験を活かせる仕事の方が即戦力として活躍できるため、少ない負担と短い時間で高い報酬が得られるのです。
無理のない範囲で働いていく
副業が忙しすぎて本業に支障が出てしまっているようでは本末転倒。疲れがたまると調剤過誤を起こしやすくなったり、いつもはしないミスを起こしたりするようになります。
これでは患者さんの命を預かって働いている薬剤師としてよくないことですよね。副業をするのは自由ですが、本業に支障が出ないような副業を選ぶことがとても重要です。
といっても、どうすれば本業とうまく両立させて副業ができるのか気になりますよね。最低限これだけは守ってほしいことが1つあります。
それは肉体的、精神的にダメージを受けないような副業をすることです。ストレスがたまってしまうようなく副業はそう続きません。
他にも通勤時間がかかりすぎる職場を選ぶのは避けた方がよいです。通勤時間は自分の自由時間ではないにもかかわらず給料が発生しないので、タイムロスといいえます。
長い通勤時間のせいで疲れてしまうこともあるので、遠い職場は避けましょう。
また、副業を始めてすぐはガッツリとシフトを入れずに週1くらいで少ない時間から始めてみるのがおすすめです。いきなり長時間シフトを入れてしまうと予想以上に疲労がたまってしまいます。
4. まとめ
本記事では薬剤師の副業について、禁止などの条件と副業を取り巻く現状、そしていくらかの副業の比較からおすすめの紹介まで行いました。
- 副業を選ぶ際は自らのスキルや職歴が活かせるものを選ぶ
- いきなり長時間働かずに自分のペースを見つける
- 単発派遣薬剤師は薬剤師の副業としておすすめ
5.【コラム】今の給料に満足していないなら...
転職も収入を上げる手段の一つ
副業を探す理由としてもっとも多いのが本業での収入に満足していないというもの。
本業の収入を上げるためには副業以外に転職に挑戦するのも手かもしれません。
薬剤師の転職についてまとめた記事もあるので参考にしてくださいね。
<ココファーマとは>
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