薬剤師の年収で低いのは病院?薬局?7種の平均ランキングで紐解いた

1.【都道府県別】平均年収ランキング!地方と都心の差は150万円以上に

薬剤師で最も平均年収に大きな差が出るのは都心と地方の差でしょう。

このデータからわかることは、「都市部より地方のほうが年収が高い」ということです。一般的な職業の場合、東京などの都市部のほうが給料は高くなりますが、薬剤師の場合は逆です。
その理由は、都市部で薬剤師が過剰になっているのに対し、地方では不足しているからです。

給料は需要と供給のバランスで決められます。そのため不足している地方の、特に中小の調剤薬局では薬剤師を確保するために高い給料を払わなければなりません。
地方の薬剤師が不足しているのは、薬学部が都市部に集中しているためです。薬学部が6年制になるのに先駆けて新設の薬学部も増え、薬剤師の将来的な過剰も予想されていますが、まだ地方に人が足りていないのが現状です。

また、一口に地方といっても地域によって平均年収は異なります。東北~北関東や東海エリアでは比較的高い傾向にありますが、四国地方は低くなっています。
薬剤師が働く地域も、年収に影響を与える要素のひとつなのです。

2.【年齢別】薬剤師の平均年収をグラフで解説!40代が年収ピーク?

薬剤師の年齢別平均年収は?

薬剤師は薬剤師手当が付くこともあり、初任給が一般の職業と比べて高いのが特徴です。年齢が上がるごとに徐々に年収は増え60歳を境に下がっていくことがわかります。また、50代前後において平均年収が一時下がっています。これは団塊ジュニアにあたる50代前後の薬剤師の数が多いことが理由であると考えられます。

薬剤師であれば、正社員でなくともパートや派遣でも高時給で働くことができます。出産を終えた女性も、定年まで安定して高い給料をもらえるのは薬剤師ならではの魅力でしょう。

→年齢別薬剤師の年収・月給・年間賞与の一覧はこちら

3.【男女別】薬剤師の平均年収は男性の方が高い!その理由は?

厚生労働省によると、平成26年の時点で届出されている薬剤師の数は28万8,151人、そのうち約60%が女性です。
まずは薬剤師全体の平均年収をみてみましょう。

   薬剤師の平均年収を男女別で計算
(平成28年賃金構造基本統計調査より)

平均年収 平均月収 年間賞与平均
全体 ¥5,149,000 ¥363,500 ¥787,000
¥5,526,200 ¥392,700 ¥813,800
¥4,919,100 ¥345,700 ¥770,700

この数字から女性よりも男性のほうが平均年収が高いことがわかります。ですが男性薬剤師の方が女性薬剤師の数に比べて3割少ないことや、女性はパート・派遣などで短時間勤務をしている人が多いため、であると考えられます。

4.【職場別】薬剤師の平均年収、最大で400万円も差が出る!?

薬剤師が活躍できる職場は多岐に渡ります。調剤薬局や病院、ドラッグストア、製薬企業など、自分のやりたい仕事内容に合わせて職場を選べます。各職場の平均年収とボーナスから見ていきましょう。

職場 平均年収 ボーナス
製薬会社 約720万円 約100万円
ドラッグストア 約650万円 約90万円
調剤薬局 約500万円 約70万円
病院 約450万円 約60万円

◆製薬企業

研究職・開発職MRなどの営業職、学術DI職といった職種があり、薬剤師が活躍できる業務は多岐にわたります。製薬会社のMR職の人の中には年収1000万円を超えるという人もいます。

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◆ドラッグストア

調剤併設の店舗が増えているドラッグストア。薬局長や管理薬剤師といった管理職の人数が増えるにともない、 高給の薬剤師求人も増えています。OTC医薬品の販売には有資格者の配置が法律で義務付けられているため、薬剤師の需要も高まっています

◆国公立病院・民間病院

大小合わせて全国に約8,500施設あります。 専門性の高い仕事として薬剤師に人気です。またやりがいを感じられるという意見が多い職場です。病院勤務の薬剤師の年収が他と比べて低いのは、医師などの他の医療事業者に対する人手不足の方が深刻でそちらに給料を多く出す構図が出来ているからと言えます。

◆調剤薬局

全国の調剤薬局の数は、コンビニよりも多い約5万8,000軒。薬剤師の多くが調剤薬局で働いています。

5.【過去の推移】直近7年間の薬剤師の年収はどのように推移しているでしょう?

これまで見てきたのは最新の平成28年賃金構造基本統計調査の2016年のデータです。年収のデータは毎年少しずつ変化しています。近年7年間の薬剤師の年収推移を見てみましょう。

(平成28年賃金構造基本統計調査より)

調査年数 平均年収 平均年齢 年間賞与額
2016 ¥5,149,000 37.4 ¥5,149,000
2015 ¥5,334,900 38.7 ¥5,334,900
2014 ¥5,311,700 38.6 ¥5,311,700
2013 ¥5,326,600 39.1 ¥5,326,600
2012 ¥5,289,100 39.1 ¥5,289,100
2011 ¥5,003,000 37.6 ¥5,003,000
2010 ¥5,181,900 39.0 ¥5,181,900

平均年収を見ると2016年が急に減っていると感じると思います。しかしこれは平均年齢を見ていただくと、2016年の平均年齢は若く37.4歳となっており、そのため平均年収が低く出ていると考えられます。むしろ、2010年は平均年齢が39歳で518万円、2013年は平均年齢が39.1歳で533万円と上がっていますし、2011年は平均年齢が37.6歳で500万円、2016年は平均年齢が37.4歳で514万円とこちらも上がっています。ほぼ同じ平均年齢での年収が上がっているため、薬剤師の年収が上昇傾向にあるといえるでしょう。

6.【医療業種別】薬剤師は他の医療系と比べて年収は高いの?

(平成28年賃金構造基本統計調査より)

職業 平均年収 平均年齢
医師 ¥12,400,700 41.8
歯科医師 ¥8,569,600 40.3
獣医師 ¥5,686,900 35.9
薬剤師 ¥5,149,000 37.4
看護師 ¥4,808,500 39
准看護師 ¥4,029,200 47.8
看護補助者 ¥2,949,000 44.4
診療放射線・診療エックス線技師 ¥5,241,000 38.8
臨床検査技師 ¥4,750,400 38.4
理学療法士、作業療法士 ¥4,069,600 31.8
歯科衛生士 ¥3,524,700 34
歯科技工士 ¥4,340,600 42.7

医療従事者間で年収から平均年齢などを比べてみました。薬剤師の年収は医療従事者の中でも高いほうであることがわかります。

平均年収のみを見ると5番目に多いことになりますが、薬剤師よりも平均年収の高い診療放射線・診療エックス線技師を見てください。薬剤師の平均年齢は37.4歳、診療放射線・診療エックス線技師の平均年齢は38.8歳となっており、この差が年収の差になっていると言えそうです。

→医療関係者の平均勤務年数、平均月収、年間賞与の詳細はこちら

7.【有名大手比較】ドラッグストアで働く薬剤師の平均年収は?

ドラッグストア
年収

福利厚生

イオン薬局 ~800万円
ウエルシア薬局 ~700万円
マツモトキヨシ ~700万円
ツルハドラッグ ~600万円
クオール薬局 ~600万円
スギ薬局 ~600万円

【コラム】今後薬剤師の年収は下がっていく?

ここまで現在の薬剤師の年収事情を見てきましたが、今後はどうなっていくのでしょうか

そもそも、薬剤師の年収が一般的な企業と比べて高くなっているのは、人材不足のためです。2012年、薬学部6年制の第1期生が出てきた際は、それまでの4年制から2年間卒業生が出なかったこともあり、薬剤師の需要が高まり、新卒社員にも高い年収が提示されることもありました。

しかし、将来的には薬剤師は過剰になると言われています。
厚労省の「薬剤師需給の将来動向に関する検討会」(2007)によると、2011年に7万5,000人、2014年には8万4,000人の薬剤師が過剰になるとの報告があります。数字上では、すでに薬剤師の過剰時代に入っていることになります。

【薬剤師過剰論の始まりは】

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薬剤師の過剰が叫ばれるようになったきっかけは、2003年以降の薬科大学の新設ラッシュです。
2002年には46だった薬科大学、薬学部の数は、現在70以上まで増えました。薬学部の定員数が増えたことにより、薬剤師国家試験の合格者数も当然増加しています。平成28年2月に行われた第101回薬剤師国家試験では、受験者数1万4,949人に対し合格者は1万1,488人で、合格者数は過去最多となりました。

今後も薬剤師の供給が増え続ければ、薬剤師不足は解消されます。それは年収にも大きく影響し、将来的には少しずつ年収は下がっていくのではないかと言われています。

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